朝の目覚めや朝食に、お昼のあとのブレイクタイム、夕食後のひとときに、おいしいコーヒーを堪能するのがささやかな幸せという方も多いでしょう。
私自身もコーヒーを飲むことが好きですし、生活の一部になっていて必需品となっています。
コーヒーにハマっていくと、インスタントだけでは満足できなくなり、こだわり始めた途端に気になるのが「エスプレッソ」や「ドリップコーヒー」などの単語。
特によく目にするワードですが、実はどう違うのかわからない方も多いはず。このふたつは一体どういったものなのでしょうか?
ここでは、「エスプレッソ」と「ドリップコーヒー」を比較しながら紹介していきます。
エスプレッソとは?
エスプレッソは、イタリアで誕生し、北米にて普及した後、全世界に広まりました。
もともとは、1800年代初頭にコーヒー豆が不足していたイタリアにて、苦肉の策として生まれた少量のコーヒー・デミタスカップからおよそ100年後、1901年に開発されたエスプレッソマシンによって誕生しました。
深煎りで極細挽きにしたコーヒー豆を充?したフィルターに、沸騰させた水による水蒸気圧で、お湯をコーヒーの粉の中に瞬間的に通して抽出したものがエスプレッソです。
普通のコーヒーカップの半分ほどの大きさのカップで提供されるため、生まれ故郷の歴史になぞらえて、「デミタス」とも呼ばれています。現在、イタリアでのコーヒーといえば、通常はエスプレッソのことを指します。
短時間で抽出するため、ギュッとうま味が凝縮されており、カフェインが少ない上にコーヒー豆の雑味も感じられず旨味だけを引き出して、深いコクを味わえるのが大きな特徴です。
味の特徴としては、濃くて苦いというイメージが先行しがちですが、コク・苦味・甘味・酸味それぞれのバランスが取れており、旨味も多くリラックス効果も高い飲み物なのです。
また、砂糖を入れることで、甘味・酸味・苦味の独特のバランスが生まれ異なる風味が楽しめます。
エスプレッソとドリップコーヒーの違い
ドリップコーヒーは、挽いた豆にお湯を少しずつ通して、お湯自体の重さのみを圧力としてフィルターを自然透過させて豆の成分を抽出させます。
一方、エスプレッソは、マシン内のポンプで強制的に圧力をかけて、短時間で一気に抽出させます。人の手では高圧は作り出せないので、必ずエスプレッソマシンを使います。
この2つの抽出方法は、同じコーヒー豆を利用してもお湯に溶け出す成分が違います。
エスプレッソは圧力をかけて短時間で抽出するため、ドリップ式よりも同じ量のお湯に溶け出す成分の量が多くなります。
多くの量が溶け出すため自然とカフェインも強いのではというイメージを抱きがちですが、使われる深煎り豆は焙煎の際に揮発しており、さらに抽出時間が短いので溶け出しにくいのです。
その為、エスプレッソはドリップコーヒーよりカフェインの量が少ないです。
ちなみに、長時間抽出を続けてしまうと「苦み」とはまた違う「えぐみ」や「渋み」が抽出され、雑味成分がたくさんお湯に溶けこむ原因となってしまいます。短時間で濃いコーヒーを少量だけ抽出するのはそのためです。
具体的には、20~30秒ほど。この短時間の間で、コーヒー豆が持つ一番おいしい箇所だけを抽出するのがエスプレッソということです。
イタリアをはじめとする、世界中で支持されてきた理由として、単純に「おいしい」というだけでなく「短時間でできる」というメリットも見逃せません。
カフェインの量はどちらが多い?
冒頭から少し触れていますが、エスプレッソとドリップコーヒーのうちカフェインの量が多いのはドリップ式です。
具体的には、ドリップコーヒーのカフェインの含有量は1杯あたり150~300mgとなっており、エスプレッソは1杯あたり60~120mgと半分以下となっています。提供される分量が単純に少ないという点を除いても、ドリップ式の方が多く含まれているのです。
エスプレッソは高圧力を加えることによって超短時間で抽出されるため、旨味成分や苦味・酸味など良いところだけを引き出すことができます。
その分、カフェインが控えめとなるので、エスプレッソは寝られなくなっては困るけどコーヒーを飲みたいという方や、食事制限や体調管理のために控えたいという方にぴったりな飲み物という訳です。
単純に提供される分量が少ないですが、濃度が濃く、それでいてカフェインが抑えめであるため飲み終わったあともしばらくアフターテイストが楽しめるのも大きな魅力のひとつです。
一方、ドリップ式は時間こそかかるものの、そのゆっくりと待つ間もおしゃべりや読書で楽しんだり、部屋中を漂う香りを楽しんだり、たっぷりとさらっとしたコーヒーを味わうことができるのも魅力です。
大がかりな専用のエスプレッソマシンを持たなくても手軽に楽しむ方法があるのも、メリットのひとつといえます。
エスプレッソを使ったアレンジメニュー
エスプレッソをストレートで飲む方もいらっしゃるかもしれませんが、イタリアでは砂糖を1~2杯さっと入れて一気に飲み干すのが常識。甘さを控えたい方はもちろん砂糖を調節しつつ、お好みの味を探りましょう。
さて、当然ながらアレンジメニューとして、ミルクを入れることでさらに多彩さを増すのがエスプレッソの大きな魅力。ミルクを入れたものがカフェラテ、たっぷりのフォームドミルク(泡立て牛乳)を入れたものがカプチーノ、そしてフォームドミルクを少量におさえたものがカフェマキアートとなります。
カプチーノの泡立てたミルクの上に、お好みでシナモンやココアパウダーを載せたりするのも、カプチーノの楽しみ方のひとつです。
ちなみに、この「カフェラテ」はイタリア語であり当然イタリアで生まれたもの。よく聞くワードである「カフェオレ」はフランス語で、こちらもコーヒーにミルクを足したもの。
しかし、カフェラテとの違いは、ドリップコーヒーにミルクを足したもの、となります。つまり、ドリップ(浅煎り)コーヒー+ミルクがカフェオレ、エスプレッソ(深煎り)+ミルクがカフェラテとなります。また牛乳の比率は、一般的にカフェオレは5:5ですが、カフェラテは2:8です。
参考:カフェオレ・カフェラテ・カプチーノ・マキアートの違いとは?
まとめ
いままで、ただ濃くて苦いだけと思っていたエスプレッソの見方が変わりましたでしょうか。少ない分量ながらも、ギュッとコーヒーの旨味が凝縮された味をぜひ堪能してください。
また、いままでストレートで飲んでいた方も次は砂糖を一杯入れてみて、その風味を味わうのも一興です。専用の砂糖を置いている喫茶店もあるのでぜひチャレンジしてみてください。
これまでカフェラテ・カプチーノ・カフェマキアートの違いが分からなかった、という方も次に注文した際に、違いを体感してみてください。
このサイトで紹介している、バリスタ i[アイ]とドルチェグストは簡易エスプレッソマシン、UCCドリップポッドは簡易ドリップコーヒーマシンです。
どちらもメーカーがこだわって作っていますので、手軽に楽しみたいという方や、時間がなくて忙しいという方はぜひ試してみてください。